Sophie Thun / First Monographs
"道具としての身体"
オーストリア・ウィーン在住のアーティストSophie Thun(ソフィー・トゥン)の作品集です。
作者がこれまでに発表してきた展覧会・作品を網羅。"撮影""制作""展示"、そして"被写体"までも他者を介入させない作者の作品、そこにルーシー・ギャラン、キャサリン・ウッド、リサ・ロングによるソフィー・トゥンへのエッセイが含まれており、鑑賞者は新たな視座を得ながら多角的な視野で作品を見ることを可能にしています。
巻末には、"現代写真論"の著者であり、批評家・キュレーターとして、現代写真界を牽引するシャーロット・コットンによるアーティストへのインタビュー付き。
本書は、オーストリアのアーティスト・キュレーター・ギャラリー・芸術機関を支援し、オーストリア現代アートの国際的な発展を目指す団体Phileasが監修するファースト・モノグラフ・シリーズの第1巻として出版。
また、作者は別のインタビューで自身の作品について、このように語っています。
"写真というメディは所有することと強く結びついた、とても攻撃的なメディアなんです。だからこそ私は、人体で表現するとき、常に(他者ではなく)自分自身を「使う」んです。そして自分自身は、1日24時間、週7日、いつでも利用することができます。…"_Sophie Thun
Sophie Thun(ソフィー・トゥン1985年生、オーストリア ウィーン在住)
主にアナログ写真の技法、空間、プロセス、そして制作と展示の条件を駆使しながら作品を制作。彼女の作品は、ヨーロッパ美術史におけるセルフ・ポートレートの文脈と深く繋がっており、16世紀にまでさかのぼる文献を織り交ぜつつ、そこから現代の若く意欲的な芸術家たちが、今日まさに直面している芸術システムにおいての不遇な状況へまで焦点を当てていきます。
トゥンは制作の多くの時間を暗室で過ごし、印画紙に直接自身の身体を接触させます。これにより、彼女は影や痕跡を作り出し、それらを新たなイメージとして取り込み、空間において複雑な配置へと変化をさせていきます。写真作品へ直接的に手を加えることで、彼女の芸術的表現手段の原点である絵画が常に認識され、視覚化されるものとなっています。
出版社 publisher:DISTANZ
刊行年 year:2022
ページ数 pages:112
サイズ size:280x 210mm
フォーマット format:Softcover
言語 language:English
付属品 attachment:
状態 condition:New