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Samuel Fosso / Studio Photo Nationale Special Edition
  • Samuel Fosso / Studio Photo Nationale Special Edition

    2014年、サミュエル・フォッソのスタジオと自宅は紛争が続く中央アフリカ共和国での襲撃を受けた。フォトジャーナリストのJerome DelayとMarcus Bleasdaleは、Peter Bouckaert(人権監視団体)の協力を得て、サミュエル・フォッソのネガを焼失から救い出し、パリにいる彼のもとに送り届けた。

    以降7年の間、50,000枚以上のネガが入った3つのスチール・トランクは、2021年の春に入手するまで閉ざされたままだった。

    1980年代、サミュエル・フォッソの初期のスタジオ写真に焦点を当てたこの写真集は、写真家サミュエル・フォッソがアフリカの一流アーティストとして認められる数十年前に撮影した魅力的なバンギ(中央アフリカ共和国の首都)のスタジオ写真の物語を綴ったものである。


     

    Samuel Fosso(サミュエル・フォッソ 1962年、カメルーン生)

    アフリカを代表する現代アーティストの一人である写真家サミュエル・フォッソは、商業用ポートレート写真家としての仕事を通じて、予期せぬ形でアーティストとしての道を切り開いていった。商業用ポートレートでの経験は、やがて彼の代表作であるコンセプチュアルなセルフポートレイトにインスピレーションを与え、アフリカにおけるスタジオ写真の歴史と関わりながら、アフリカ的アイデンティティの概念を称賛し、それに挑戦する独自の美学を築き上げていった。

    スタジオビジネスを成功させたフォッソは、顧客が肖像画の短納期を好むことに気づいた。一日の終わりに残ったフィルムを使い切り、プリント用に加工するために、彼は自分の写真を撮り始め、ナイジェリアにいる家族に送った。彼の初期のセルフポートレートは、研究された自己表現への本質的な興味を示している。即席のバックセットを背景に、彼は小道具、ポーズ、衣装を自信たっぷりに試してみせる。ベルボトムやプラットフォームブーツを禁止する独裁的な法令を無視して、彼はしばしば反抗的に1970年代の派手なファッションに身を包んでいる。
    イボ族の伝統と仮装やボディ・アートの伝統に触発されたフォッソは、やがて、より演劇的なスタイルのセルフポートレートを制作するようになる。部族の首長や解放された1970年代の女性など、カラフルで風刺的な登場人物を演じた『Tati』(1997年)や、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアやハイレ・セラシエなど、著名な文化人や公民権運動やアフリカ独立運動の指導者に扮した『African Spirits』(2008年)といったシリーズでは、彼の初期の写真実験に内在する可能性が発揮されている。これらの作品やその他の作品において、フォッソは、先祖の霊が生者の近くにとどまるというイボ族の仮装の概念に触れている。
    フォッソの作品には、イメージの循環に対する深い関心も見て取れる。『African Spirits』のポーズや衣装は、マグナムのイヴ・アーノルドによるマルコムXの静かで力強いポートレート(1961年)など、有名な写真から引用されている。有名な肖像画を丹念に再制作する際にも、遊び心を持って既成概念を喚起し脱構築する彼の作品においても、イメージの伝播によって蓄積される力に対するフォッソの鋭い理解が、彼のアプローチの根底にある。

     

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    出版社 publisher:Sébastien Girard and Maison Européenne de la photographie.

    刊行年 year:2021

    ページ数 pages:76

    サイズ size:330x 240mm

    フォーマット format:リング製本,リソグラフ印刷,シルクスクリーンスリップケース

    言語 language:English

    付属品 attachment:ゼラチンシルバープリント1枚,サイン・ナンバリング入り

    状態 condition:New

    プリント付き特装版は100部限定

      ¥57,200価格
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